知らないと失敗する!? 手作り指輪の落とし穴

手作り』の解釈がとても曖昧なジュエリー業界において、お客様目線と販売する提案する側の解釈が食い違ってるなと感じる事がよくあります。

結婚指輪や婚約指輪をこれから用意しようと考えていて、その中でも2人で作る結婚指輪や婚約指輪を視野に入れてるお2人には特に知っておいた方が良いと思い「手作り指輪」の基本をお話させて頂きますね。

業界での手作りジュエリーの曖昧な解釈

2人で作る手作り結婚指輪と云ったサービスが世に現れだしたのは、そもそも10数年前、正確には20年ないと思います。

東京など大都市圏では相当数の2人で作る手作り指輪のお店が増え、その影響からか数年前より、「2人で作る手作り指輪」が全国的にメジャーになってきました。

その『手作り』だけが独り歩きして、立場によって様々な『手作り』が存在しだしてる事を知らないと、自分達のイメージの指輪にならなかったりと、後で後悔する人達も出てきてます。

そうならない為にもあと3分だけお読みくださいね。

宝飾業界では今でも手作りジュエリーと云うと、職人や宝石デザイナーが一点一点作るモノを指しています。スーパーブランドや有名宝飾デザイナーが手掛けるハイクラスジュエリーなどですね。

逆に名前が売れてなく、量産が極端に少ないデザイナーさんのモノも手作りと言ってます。

そもそも職人の手を介さない完全に機械生産のジュエリーってあるのでしょうか?

ハイ!0です。完全に職人の手を介さないジュエリーは無いので、手作りと云えば高級感に感じる消費者心理をついた販売用語とでも言いましょうか?当たり前に業界では、特に販売に携わる多くは手作りと謳ってるところもあります。

ごめんなさい!私も駆け出しの頃は、そう言って販売していました。

業界ですら「手作り」をそれぞれの立場で使っているのです。

完全に一点物は、現在においては極端に少なく、職人一人による本物の鍛造のジュエリーなどはシンプルなデザインでも工芸的にも評価され、とても希少性が高く高価なモノとして存在してます。

この様に『手作り』対する解釈が、業界ですら曖昧である事を理解しておきましょうね。

いよいよ「2人で作る手作り指輪」の核心ですよ。

驚く赤ちゃん

2人で作る結婚指輪や婚約指輪における解釈

作り方による製法では彫金的な手法と、鋳造的な手法の、大きくは2つに分類されます。

もう一つは2人の携わり方の違いによっても出てくるのです。

明確に線引きすることは難しいので、私共では解りやすくするために、大きくは3つに分類して説明しています。

フルオーダー

2人のアイデアをデザイナーが聞き、デザインしたものを職人が仕上げる、フルオーダー手法。

ここでの2人の作業は、2人の指輪のデザインのイメージ出しになる訳です。

工程は鋳造 携わるのはアイデアのみ

彫金的手法

完全に2人だけで完成まで作業する彫金的手法。

簡単に説明すると、2人でそれぞれの指輪の金属を曲げて輪を作り、磨く!

工程は彫金 携わるのは2人のみ

※この彫金的な手法の一部の工程だけを抜き出し、鍛造と謳う所もありますが、はっきり言います。初めて作業する人が鍛造製品を作れることはありません。

鋳造的手法

2人+職人によるサポートの鋳造的手法。

2人でジュエリーワックスを使い原型を作り、それを職人が修正して仕上げる。

工程は鋳造 携わるのは2人と職人

鋳造に対して鍛造が比較されますが、鍛造に関してはとても特殊な作り方なので2人で作る事は不可能と考えます。そのためアトリエ100&1並びにアトリエ花風里では彫金的手法と言ってます。

※鍛造を選択する人の中には傷付かないからとの理由が一番みたいですが、手作りと同じように、鍛造の言葉だけが独り歩きしてる為に起きてる誤解もあります。鍛造を選択する人の落とし穴も参考にして下さいね。

最後にそれぞれのメリットとディメリットを知っておくと指輪に対して、後からこんな筈じゃなかった!との後悔する人も減ると思いますね。

驚く赤ちゃん3

それぞれのメリット&ディメリット

フルオーダー

フルオーダーの一番のメリットはそのデザイン性でしょう。

2人だけの結婚指輪に対する想いをジュエリーデザイナーが上手く汲み取られれば、独創的な素敵なデザインになる事でしょう。

その分携わる専任に携わる職人が多く介在するのです。

絵が描けるデザイナー・原型を作るワックス職人・仕上げの職人と・・・この人件費がディメリットに繋がる工賃になるのです。

予算的には、NET等で発信している結婚指輪の平均価格をイメージしていたり、平均価格より少し安くと考える2人は、この仕組みを知らないと、とても高く感じるかもしれませんね。

そう考える人にとっては、高額がディメリットに繋がるのでしょう。

彫金的手法

彫金的手法のメリット&ディメリットは、ちょうどフルオーダーの逆になります。

サポートをする人はいますが、基本的に最後まで自分達で作業するので、職人にお願いする事が少ないので、職人人件費が掛かりません。その分とても安く仕上がるのです。

真直ぐな地金を丸めてくっつけて磨くが基本になるので、凝ったデザインは不可能で、その大半はボコボコの槌目いわれるデザイン中心です。

しかし金槌で叩くだけだから簡単に見えても、初めての人に、均一のパターンは難しいと思います。

一番気を付けなくてはいけないのが、イメージしたデザインとかけ離れる場合が多く(特に女性)、予算的なことで納得したつもりでも、出来上がったモノや見たり、他の人と見比べたりして、時間が経って残念な思いをする人も出てきてるのです。

オプションで追加料金が掛かるにしても、職人さんにお願いする事も視野にいれることをお勧めします。

価格で選択する事が間違いとは言いませんが、作り方を知らないと将来的に残念な結果に繋がる事もある事を知って下さいね。

鋳造的手法

フルオーダーよりはデザイン性は低いが、市販のデザインと同じくらいのモノをつくれ、それでいて彫金的なモノよりは高いかも知れませんが、業界が発信する標準的な価格よりは安い、コストとデザイン性のバランスが取れてるのが鋳造的手法と考えて良いでしょう。

鋳造的な手作り指輪に関しては、デザインは2人で考えて頂きます。

プロのデザイナーよりは劣るかも知れませんが、市販で売られてる90%のデザインと同じ様に作る事が可能です。それらに2人のアイデアや想いをプラスする事で2人だけのオリジナルにする事が可能になるのです。

作り方に関しては彫金的手法の様に、完全に2人で作り上げるよりも、職人のサポートが付くので、デザイン的な要望を反映しやすく、2人がイメージするデザインに関してはほぼ制作する事が可能になるのです。

価格に関してもサポートは2人の手の届かない所だけなので、フルオーダーよりも相当お安くなり、彫金的手法よりは断然デザイン性は増します

価格を比較する上で、工賃だけをみれば、量産品と比べ、職人が2人だけの為に指輪を作るので工賃だけを見れば、当然高くなります。

アトリエ100&1とアトリエ花風里完全予約制にする事で人件費や広告などを抑え、固定費を最小限に抑える事により、同じ手法のアトリエや市販商品よりも価格を抑える事ができるのは、こう言った企業努力でもあるのです。

勘違いの多い手作り指輪

一番勘違いされることは、作る手法を知らず、手作り指輪はホームセンターのDIY的な考えで、自分で作れば安い!との考えで、その考え方で2人で作る結婚指輪や婚約指輪を考えて来店されると、鋳造的な作り方ですと高いと思われるみたいですね。

2人で作る作業はしないですが、パーツを組み合わせて作る指輪でセミオーダー的なモノがDIY的な作りに近いでしょう。

彫金的な手法と鋳造的な手法で作れるモノが違う事を知らないで、デザインを頭にイメージした時には既に鋳造的なアプローチでしか作れないのに、費用は安く、DIYの延長線上で考えているため、価格的にもデザイン的も、そのギャップが表れてくると思うのです。

作りたいモノのデザインがイメージされてる時は鋳造的な作りを選択した方が良いでしょう。

槌目やシンプルなデザイン以外をイメージしている時でも、鋳造の方が良いように思えます。

世界的なスーパーブランドでも、様々にデザインのある市場の95%以上が鋳造手法で作られてる事をみても、実は鋳造で作るそのメリットはやはり大きいと思います。

結婚指輪や婚約指輪にデザイン性を入れ込むのであれば、鋳造的な手法が良いと思いますよ。

予算が優先な時は、鍛造的な手法で作った作品例等を確認してから製作した方が良いと思いますよ。

2人にとって最良の結婚指輪・婚約指輪が見つかる事をお祈り致します。

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