結婚指輪はいつ買う?挙式から逆算する準備スケジュール

アトリエ100&1での手作り結婚指輪の打ち合わせ全景

「結婚指輪って、いつ買えばいいんだろう」。式場を仮予約した夜に、そう思って検索された方もいらっしゃるかもしれません。結論からお伝えします。買う時期は「何ヶ月前が正解」という一つの数字では決まりません。決め方は逆算です。挙式・入籍・写真撮影など「指輪を確実に手元に置いておきたい日」を先に決め、そこから工程を後ろ向きに並べていく。この順番で考えるだけで、迷いはずいぶん減ります。この記事では、金沢と横浜で手作り結婚指輪の工房を営む100&1が、逆算の組み立て方を整理しました。工程は制作の流れにまとめています。

工房のテーブルで結婚指輪の準備スケジュールをスタッフと相談するカップル
目次

「いつ買うか」ではなく「いつ必要か」から考えます

準備のご相談で「そろそろ動いたほうがいいですか」とお尋ねいただくことがあります。このとき私たちがまずお聞きするのは、指輪が手元にあってほしい日はいつですか、ということです。起点になりうる日は、ひとつではありません。

  • 挙式当日(指輪交換をする日)
  • 入籍日(婚姻届を出す日)
  • 前撮り・フォトを予定している日
  • 両家の顔合わせや結納の日
  • 「この日からふたりで着けはじめたい」という記念日

このなかでいちばん早く来る日が、逆算の起点です。挙式より前に前撮りをするなら、締切は挙式ではなく前撮りの日。取り違えると、「式には間に合ったけれど写真には間に合わなかった」ということが起こります。

先輩カップルの実態も目安になります。ゼクシィ結婚トレンド調査2024(リクルート ブライダル総研)によると、結婚指輪を検討しはじめた時期は挙式の平均11.5ヵ月前、決めた時期は平均10.2ヵ月前でした(全国推計値/結婚指輪購入者のうち挙式実施者)。式のおよそ1年前に探しはじめ、10ヶ月前ごろには決めているという姿です。

ただ、これは基準ではなく幅のある分布の平均値です。数字に自分たちを合わせるのではなく、起点の日を決めてから照らし合わせる。順番はそちらが安心です。

挙式・入籍から逆算する、準備スケジュールの目安

一般的な準備の流れは、大きく5つの段階に分かれます。時期の目安と「何を決めるか」を並べると、こうなります。

時期の目安することこの段階で決めること
起点の約1年前情報収集予算感/既製品か手作りか/素材の方向性
起点の10ヶ月前ごろ来店・相談見積りの内訳/おおよそのサイズ/完成までの目安
相談のあとデザイン決定幅・厚み・質感・刻印の内容
デザイン決定後制作(手作りは原型づくり→職人の仕上げ)
起点の少し前受け取り・確認着け心地の確認/当日の持ち方

段階1・情報収集。ここで決めるのは指輪そのものではなく、ふたりの方針です。予算をいくらに置くか。既製品か手作りか。プラチナか、ゴールドか。方針さえ決まれば、そのあとの相談は驚くほど早く進みます。違いは既製品と手作りの比較で整理しています。

段階2・来店・相談。ここがいちばん大事な段階です。実物を着けて幅や厚みの体感を確かめ、見積りの内訳を確認する。100&1では制作基本料・地金代・加工費の3層に分けて、単価×数量で全項目をお見せしています。参考価格はペア30万円〜が目安ですが、素材・幅・厚み・加工内容で変わります。金額の考え方は料金と素材のしくみをご覧ください。

段階3・デザイン決定。幅、厚み、表面の質感、内側の刻印。決めることは多いようでいて、ふたりの好みは早い段階で見えてきます。刻印の日付だけは、入籍日が確定していないと決めきれません。

段階4・制作。デザインが決まってから、指輪が形になるまでの時間です。100&1では、完成までの期間はデザインの内容や時期によって異なります。だからこの記事では「◯週間で仕上がります」と言い切りません。断言してあとで間に合わないほうが、ずっと困るからです。挙式や入籍の予定日が決まっている方は、ご予約の段階でその日をお知らせください。逆算してご案内します。

段階5・受け取り・確認。仕上がった指輪を着けて、サイズと着け心地を確かめます。違和感があれば調整の相談ができるよう、起点の日ちょうどではなく少し手前に受け取りを置くのが安心です。

手作りの場合に気をつけたい、「削ったあと」の時間

手作り結婚指輪で誤解されやすいのが、制作日=完成日ではないということです。

100&1はキャスト製法(鋳造)で指輪をつくります。おふたりに担当していただくのは、ワックス(ろう)で原型を削る工程まで。ここは基本的に1回のご来店で完了します。何度も通う必要はありません。

その原型をもとに、長年の宝飾業界で培われた知見を持つ職人が、鋳造と研磨を行います。金属に置き換え、面を整え、質感を出す工程で、相応の時間がかかります。つまり手作りの指輪は、「ふたりが工房にいる時間」と「職人が仕上げる時間」の二段構え。逆算で忘れられやすいのは、後者のほうです。

ワックスで削った結婚指輪の原型をふたりで確認しているところ

もうひとつ。結婚式の多い季節は、工房のご予約も混み合いやすくなります。100&1は金沢・横浜ともに完全予約制で、ご希望の日時に必ずお取りできるとは限りません。式が春や秋の方ほど、ご相談は早めのほうが選択肢が多くなります。

ですので、お願いはひとつだけです。日程が決まったら、まず一度ご相談ください。1つの原型にふたりで文字を刻み、2本を「対」にする——その時間を、締切に追われながら過ごしてほしくないのです。

「早ければ早いほどいい」とは限りません

ここまで読むと「じゃあ、できるだけ早く」と思われるかもしれません。でも、早すぎることにも落とし穴があります。

理由1・指の太さは変わります。体重の増減、季節、むくみ。指のサイズは思っている以上に動きます。購入から着けはじめまでが長く空くと、「作ったときは合っていたのに」ということが起こります。詳しくはむくみとサイズの関係サイズの測り方で書いています。

リングゲージで指のサイズを確認している様子

理由2・気持ちと好みが変わります。式場が決まり、衣裳が決まると、「思っていたイメージと違ったかも」と感じることがあります。ドレスや和装の方向性が見えてきてから指輪を決めると、全体がまとまりやすくなります。

理由3・刻印の内容が決めきれません。内側に入籍日を刻みたい場合、日取りが未定のうちはその日付を刻めません。日付以外の刻印にするか、日程が固まるのを待つか。ご相談いただければ選択肢をお出しできます。アイデアは内側刻印のガイドにまとめました。

つまり、早すぎても遅すぎても困る。だからこそ「逆算」なのです。間に合うタイミングで、しかし決めるべきことが決まってから動く。その位置を一緒に探すのが私たちの役目です。

金額の目安だけ先に知りたい、という方へ。
見積りシミュレーターなら、地金代と加工費を分けた概算をその場で出せます。来店の前に、数字だけ確かめておくこともできます。相談だけでも大丈夫です。

婚約指輪と結婚指輪、順番とタイミングをどう考えるか

婚約指輪も用意する場合、順番はどうなるのでしょうか。一般的には、婚約指輪のほうが先です。同じゼクシィ結婚トレンド調査2024(全国推計値)では、婚約指輪の検討開始が挙式の平均14.3ヵ月前、決定が平均12.8ヵ月前。結婚指輪より2〜3ヶ月ほど早い位置にあります。プロポーズという場面が先に来るのですから、自然な流れです。

ただし「必ずこの順で」という話ではありません。次のような選び方があります。

  1. 婚約指輪が先。プロポーズで贈り、そのあとふたりで結婚指輪を選ぶ
  2. 結婚指輪が先、または同時。プロポーズ後に、両方をまとめて決める
  3. 婚約指輪を後回しにする。まず結婚指輪を用意し、記念日などのタイミングで婚約指輪を考える

私たちがおすすめしたいのは、重ね着けを考えているなら一緒に相談していただくことです。並べて着けるとき、カーブの形やアーム(腕)の幅が合っていないと、隙間ができたり片方が浮いたりします。同じ場で相談すれば、重ねたときのバランスを見ながら結婚指輪の形を決められます。詳しくは手作り婚約指輪のページをご覧ください。

なお婚約指輪の費用は、リクルートブライダル総研「結婚マーケット調査2025」(本編67ページ)で平均43万8000円(n=258)とされています。ただし10万円未満から100万円以上まで大きく散らばるため、平均を目安にしすぎないほうが賢明です。地金の量と石の条件で決まるものなので、「いくらが普通か」より「何で決まるか」で考えるほうが納得できます。

挙式をしないふたり、入籍だけのふたりは

挙式をしない、あるいは入籍だけというカップルもいらっしゃいます。この場合、逆算の起点は挙式ではありません。

起点になるのは、入籍日、あるいは「この日から着けはじめたい」と決めた日です。婚姻届を出す日に指輪をはめて写真を撮りたいという方も、顔合わせに間に合わせたいという方もいます。どれも立派な起点です。

思いつかない場合は、先に「着けはじめる日」を決めてしまうのがおすすめです。誕生日でも、付き合いはじめた記念日でも構いません。締切がないまま検討をはじめると、いつのまにか一年経っていた、ということが起こりがちです。

先ほどの調査の数字は「挙式実施者のみ」が対象なので、挙式をしないふたりにはそのまま当てはまりません。だからこそ、自分たちで起点を置くという考え方がいっそう役に立ちます。

完成した手作り結婚指輪を工房で受け取るカップル

その日に持ち帰れるタイプを選ぶなら、逆算の考え方そのものが変わります。工程による違いは即日仕上げと後日渡しの違いに。長く使ううえでの不安を先に潰しておきたい方は変形と修理の話もあわせてどうぞ。

入籍日から全体を逆算したい方は、プロポーズから入籍までのスケジュールの組み方にまとめました。

よくある質問

結婚指輪はいつ買うのが一般的ですか?

ゼクシィ結婚トレンド調査2024(リクルート ブライダル総研・全国推計値)では、検討開始が挙式の平均11.5ヵ月前、決定が平均10.2ヵ月前でした。ただしこれは挙式をした方の平均です。大切なのは、挙式・入籍・前撮りなど「指輪が手元にあってほしい日」から逆算することです。

手作りの結婚指輪は、完成までどのくらいかかりますか?

デザインの内容やご依頼の時期によって異なるため、一律の日数はお伝えしていません。原型を削る工程は基本的に1回のご来店で完了しますが、そのあと職人が鋳造・研磨を行う時間が必要です。挙式や入籍の予定日が決まっている方は、ご予約の際にその日をお知らせください。

挙式の何ヶ月前までに相談すれば間に合いますか?

完成までの期間はデザインと時期で変わるため、一律の締切はお伝えしていません。ただし結婚式の多い季節は工房のご予約も混み合いやすくなります。日程が決まった時点でご相談いただければ、間に合う進め方をご提案できます。お早めのご相談ほど選択肢が増えます。

早く買いすぎると困ることはありますか?

あります。指のサイズは体重や季節、むくみで変わるため、購入から着けはじめまでが長く空くと合わなくなることがあります。衣裳や式の雰囲気が固まる前に決めて、あとから印象が合わないと感じる場合も。入籍日を刻印したい方は、日程が確定するまで日付を決められない点もご注意ください。

婚約指輪と結婚指輪は、同時に作れますか?

はい、同時にご相談いただけます。とくに重ね着けをお考えなら、一緒に見ていただくのがおすすめです。婚約指輪のカーブや幅に合わせて結婚指輪の形を決められるため、重ねたときのバランスが取りやすくなります。

結婚指輪の準備は、急いで終わらせる作業ではありません。かといって、締切から目をそらしていいものでもない。だから逆算します。「いつ必要か」を先に決めれば、「いつ動くか」は自然に決まります。ご希望の日程や完成までの目安、見積りの内訳まで、まずはお気軽にLINEでお問い合わせください。

この記事を書いた人

三代 二栄のアバター 三代 二栄 アトリエ100&1 創業者

アトリエ100&1創業者。横浜生まれ。宝飾業界約40年、宝石店の企画・コンサルティング20年以上。手作り結婚指輪の仕組みをいち早く確立し、2009年に金沢で創業。3,000組以上の指輪選びに立ち会う。信条は「毎日着けて30年もつか」。

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