オーナーインタビュー

アトリエオーナーが語る “キャスト製法へのこだわり”

キャスト製法(鋳造)を売りにしていますが何故ですか?

先ず自由にデザインできる点ですね。私共でも金属を直接叩く“彫金的な手法”で制作していただくことは可能ですが、デザインに限界があるので二人らしさをその中に入れ込むのは難しいのです。
一流ブランドをはじめとした市販品の90%以上がキャスト製法を採用するのも、デザインの再現性が高いからなんです。

そしてもう一つの理由は、二人の左手薬指に一生収まる結婚指輪だからこそ、二人で一緒に考えデザインすることに大きな意味があると考えるからなんですね。

二人らしさを入れ込むとは?

例えば二人が大切にしてる何か(日付や言葉・マーク等)をデザインの一部にしたり、二人で指輪の内側に文字を刻むことも二人らしさの一つと考えます。
これからの結婚生活で何事も一緒に考えて欲しいからこそ、指輪のデザインにもこだわって欲しいのです。

金属を直接叩く彫金的製法ではデザインに限りがあるので、二人らしさ(二人の大切にするデザイン)を入れ込むにも限界があります。また、キャスト製法を採用していても時間的制限があったり、職人の負担を理由に指輪の内側に文字を刻ませないといったこともあるみたいですが、私共が提案してるのは未来ある二人の結婚指輪なのです。
だから、そこに妥協なんてありません。

自由にデザインしながら、二人らしさを入れ込むということですか?

そうです。
私共の二人で作る結婚指輪は原型のベースをお二人に作って頂き、その原型をフルオーダーと同様に職人が修正して仕上げることで、一流ブランドにも劣らない完成度でご提供しています。
二人らしさとは、結婚生活における二人の目標や戒めをデザインに入れ込むことなのです。
その為にお二人に指輪の内側に文字やマークを刻んで頂くことも、自分達らしさを入れ込む大切な共同作業の一つと考えています。

そして私共では、それを“夫婦ブランド”と言っています。文字やマークを活かしながら、二人でイメージしたデザインを市販レベルの品質に仕上げるのは、職人の腕もありますが、何より宝飾品に対する知識が豊富でないといけないと考えております。

一組に対する時間が長いとお聞きしていますが、それも一つの要因ですか?

長いですか?^^;
確かにデザイン確認から見積り、制作まで入れると1組の平均は5時間前後です。
中には2時間制とか設けているところもあるみたいですが、ウチでは絶対無理ですね。

一組ごとに時間制限を設けていないのは、キチンと二人と向き合いたいからなんです。時間を区切ってしまうと、それも流れ作業のようになってしまいます。
中には同じ空間で数組まとめて作業するところもあると聞いていますが、指輪作りという二人の共同作業は二人の結婚に対する確認作業でもあると思うのです。そんな時に他人の目は気になると思うので、やっぱり二人だけでやりたいでしょ!? 笑

それと、イメージのすり合わせをしながらお二人のデザインを決定していくには時間が必要なんです。
お客様は自由な発想をしてきますが、中には物理的に不可能なことも含まれます。それは金属の特性や製法に対する技術的なことだったりするので当然なんですが、それらを説明しながら二人のアイデアを形にしていくのが私共のスタンスなんです。
価格にしても、デザインにしても、二人の想いを形をする為の完璧なアドバイザーでなければならないと考えています。

指輪のデザインではどんなことに注意しますか?

お二人にデザインして頂いた指輪を作るに当たり、工法や素材など様々なことをチェックしますが、一番の優先事項は “毎日着けて30年以上保つか” ということです。結婚生活にさり気なく寄り添う結婚指輪ですから、最低限の耐久性も必要です。
最近流行りの細身で華奢なデザインは10年はおろか数年で変形する様な、とても生涯身に着ける結婚指輪として相応しくないものあります。
その場で売ってしまえば関係ない!なんて考えは私共は持ち合わせていません。

それと “鍛造は硬くて傷付かない” など、お客様の中には正しく理解しないまま思い込んでることもあるので、正確な情報を伝えて二人の結婚指輪としてどちらが相応しいか納得のうえで判断して頂くことを心掛けています。
その中で、二人で作る結婚指輪が二人の結婚生活におけるアイテム(愛team)になることを感じてもらえると嬉しいですね。

価格に関しては?

他店と比べたことがないので良く分かりませんが、他の手作り指輪工房を回ってきたお客様からは「安い」と言われることは良くあります。他のお店みたいに立派じゃないし、宣伝広告も殆どやってませんしね・・・笑

お見積りは制作する当日の地金相場を参照して極力明確に解り易くお出しして、お客様に一片の疑問も残らないことを心掛けています。

手作り指輪にも工法により種類があって、彫金的な工法の様に基本的に職人が介在しないために安く収まるものも存在します。 私共の手作り指輪はキャスト製法で更にフルオーダーに近い作り方なので、職人が二人の為だけにサポートして一対の結婚指輪を作ります。だから本来、工賃は当然量産品より遥かに高くなります。しかし、宣伝広告費や固定費を最大限に削ることで、実際には市販品より30%前後も安く(当社調査)ご提供させて頂いております。価格面でも自信を持って私共のサービスをお勧めできますね。

宝飾業界やブライダル業界に辛口のブログが多いと思うのですが…

決して業界のことを否定してる訳ではないですよ。笑
私を育ててくれた業界なので、どうしたら発展するだろうか?と常に真剣に考えています。

インターネットを使って様々な情報が得られる世の中になっていますが、その情報が全てとは思わないでください!と言いたいのです。
テレビでもインターネットでも、発信する情報には必ず別の面もあるのです。見る側(お客様)は無料ですが、出す側(販売者側)は有料です。広告に見えないような広告もあります。
販売者からすれば、自分たちの不利になることは表に出したくないですよね。

私は宝飾業界やブライダル業界に居るので、その部分が特に目に付いてしまいます。だから自分なりの考えを述べてるに過ぎませんし、私共を選んでくれるお客様には特にアドバイスさせて頂いているだけのことです。
企業になって組織が大きくなってくると売上至上主義的になりがちですが、お客様の人生に関わるお仕事です。
そこはクソ真面目と言われようと、自分の信念は貫きたいですね。

今後の目標をお聞かせください

少しでも多くの人達に100&1を知ってもらい、結婚指輪の本当の意味を知って頂きたいですね。
それは、売上を上げ会社を拡大したいということではありません。

指輪選びは結婚準備の最初に取り掛かる共同作業です。そこで何をどのように選ぶかは、その後の結婚準備や結婚生活にも大きく関わってくると信じています。
だから、流行りや雰囲気だけで選んで終わらせてほしくないと思います。

私達100&1の手作り指輪は、単に二人で指輪を作るというだけでなく、自分達に相応しいデザインとは何かを相談しながら一緒に考え、二人で協力しながら手を動かして夫婦ブランドの指輪を完成させていくという、夫婦の絆を深めるシンボルを作り出す行為です。
もちろん指輪作りは楽しいですが、二人でデザインを悩み、苦労して完成させるからこそ一生忘れない体験になりますし、本当の意味で価値ある結婚生活におけるアイテム(愛team)となるのです。

結婚という人生の中でも特に幸せで重要な局面を迎えるお二人にとって、指輪選びが “単なる買い物” ではなく “幸せな結婚生活の一部” であってほしいと願っています。