東京には、手作りの結婚指輪をつくれる場所がたくさんあります。そのなかで、わざわざ横浜まで出てくる理由があるとしたら、それは「横浜のほうがいいから」ではありません。
先に結論を書きます。工房選びで最後にきいてくるのは、家からの距離ではなく、見積りの中身がどこまで見えるかです。移動は一度きりですが、指輪は毎日つけるものだからです。
そのうえで実務的な話を。東京都心から横浜・関内までは、電車でおよそ30〜40分台。しかも原型づくりはご来店1回で終わります。何度も通う前提ではないので、距離のハンデは思っているより小さいのです。
この記事では、東京にお住まいのふたりに向けて、アクセスの実際と、工房を選ぶときの基準を正直にお話しします。なお、私たちの工房は金沢と横浜の2か所です。東京に店舗はありません(東京方面でしたら、姉妹ブランドのアトリエ花風里でもご相談いただけます)。

東京の工房と横浜の工房、ほんとうは何が違うのでしょうか
地図の上では、距離が違います。でも、ふたりが本当に比べたほうがいいのは、たぶんそこではありません。
「手作りの結婚指輪」という言葉は、じつはいくつかの違うものを指しています。金属そのものを叩いたり曲げたりして形にしていくやり方。やわらかい素材で原型をつくり、金属に置き換えていくやり方。そして、デザインはふたりが決め、手を動かすのは職人という「オーダーメイド」。どれも「手作り」と書かれます。
どれが優れている、という話ではありません。それぞれ、できることと向き不向きが違うというだけです。手を動かす実感を優先したいのか、細かなデザインまで形にしたいのか。3つの違いは手作り指輪の3タイプで整理しています。
100&1はキャスト製法(鋳造)です。ワックスというやわらかい素材でふたりが原型を削り、それを長年の宝飾業界で培われた知見を持つ職人が金属に置き換え、研磨して仕上げます。ひとつの原型にふたりで文字を刻み、2本を「対」にするのが100&1流です。
そう考えると、「東京か、横浜か」という問いは、途中で別の問いに変わります。どのつくり方の、どの工房か。 エリアで絞り込む前に、つくり方で絞り込む。そのうえで最後に距離で決めるなら、それは正しい順番だと思います。逆にすると、近いけれど作りたいものが作れなかった、ということが起こります。
東京から関内・馬車道まで、どれくらいかかるのでしょうか
横浜の工房は横浜市中区弁天通にあり、最寄りは関内駅と馬車道駅です。主要駅からの目安は次のとおりです。
| 出発駅 | 到着駅 | 経路 | 所要時間の目安 |
|---|---|---|---|
| 東京駅 | 関内駅 | JR京浜東北・根岸線(快速)/乗換なし | 約41分 |
| 品川駅 | 関内駅 | JR京浜東北線/乗換なし | 約32分 |
| 渋谷駅 | 馬車道駅 | 東急東横線(急行)〜みなとみらい線/乗換なし | 約36分 |
| 新宿駅 | 関内駅 | JR湘南新宿ライン〜横浜駅でJR根岸線に乗換 | 約45分 |
| 横浜駅 | 関内駅 | JR京浜東北・根岸線 | 約5分 |
| 横浜駅 | 馬車道駅 | みなとみらい線 | 約5分 |
※ダイヤ改正や時間帯によって変わります。お出かけ前に各鉄道会社の公式サイトでご確認ください。
ありがたいのは、主要な駅から乗り換えなしで来られることです。渋谷からは東急東横線がそのままみなとみらい線に入って馬車道駅まで直通、東京駅や品川駅からは京浜東北線が関内駅まで直通です。乗り換えの階段を上り下りせずに済むのは、当日の気分に地味に効きます。
駅からは、JR関内駅から徒歩7分、市営地下鉄関内駅3番出口から徒歩5分、みなとみらい線馬車道駅から徒歩5分です。
都内の自宅を出てから工房に着くまで、だいたい1時間弱。休日に映画を1本観に行くのと、そう変わらない時間です。「遠出」と身構えるほどではないと思います。

通う回数が少ないので、移動はそれほど負担になりません
距離の話でいちばん大事なのは、片道の時間より「何回行くか」です。
100&1では、ご来店1回で指輪の原型づくりが完了します。当日は、デザインの相談から、ワックスを削って形にするところまでを続けて行います。「今日はデザインだけ決めて、削るのは次回」という分け方をしていません。ふたりが工房に来る回数が減るように、という考え方です。
工房は完全予約制です。その時間はふたりのために確保されているので、順番待ちで削る時間が短くなることもありません。当日の流れは制作の流れにまとめています。
仕上がりまでの期間や、お渡しの方法は、デザインと加工の内容によって変わります。日取りが決まっている場合は、ご予約のときに先に教えてください。逆算してご案内します。
来店回数の考え方は工房によって違います。もし同じ回数で済むのなら、実際に差がつくのは往復の移動時間だけです。その時間を惜しむかどうかは、横浜の工房でつくりたいものがあるかどうかで決めていい、と私たちは思っています。

金額の目安だけ先に知りたい、という方へ。
見積りシミュレーターなら、地金代と加工費を分けた概算をその場で出せます。来店の前に、数字だけ確かめておくこともできます。相談だけでも大丈夫です。
「近いかどうか」より先に、確かめてほしいこと
ここが、この記事でいちばん伝えたいところです。工房を選ぶとき見比べる項目はいくつもありますが、私たちが「先に見てほしい」とお願いしているのは見積りです。詳しい観点は手作り指輪の工房選び5つのチェックポイントにまとめました。
100&1の見積りは3層で書きます。
- 制作基本料 — 工房を使い、道具を使い、職人が仕上げるための費用
- 地金代 — プラチナや金そのものの代金。相場に連動します
- 加工費 — 刻印、石留め、表面の仕上げなど、選んだ内容ごとの費用
これを、単価×数量の形で全部お見せします。「一式」でまとめません。理由は単純で、まとめてしまうと、どこを削れば安くなるのかがふたりに分からなくなるからです。
もうひとつ、見積りに必ず書くのが幅・厚み・重量です。指輪の値段は、地金をどれだけ使うかでほとんど決まります。だから、金額だけを先に決めてしまうと、細く、薄くして辻褄を合わせるという逃げ道ができてしまう。私たちが数字を先に開示するのは、その逃げ道を自分たちで塞いでおくためです。
正直に書くと、金額そのものは以前より上がりました。田中貴金属の公表値で、金の年間平均価格は2020年の6,122円/gから2025年には17,302円/gへ、およそ2.8倍になっています。以前は10万円台でご案内できたものが、いまはペア30万円〜が目安です。安くなった、とは言えません。
参考までに、リクルートブライダル総研「結婚マーケット調査2025」(本編72ページ「結婚指輪の費用【セット価格】」n=289)では、結婚指輪2人分の平均は32万1000円、最多価格帯は20万〜25万円未満が19.4%でした。手作りだから特別に高い、という位置にはいません。内訳はペア30万円の内訳と横浜の結婚指輪の費用に書いています。
そのうえで、ふたりに確かめてほしいのはこの1点です。見積りを見て、なぜその金額になるのかを説明してもらえるか。 それが分かる工房なら、家から遠くても後悔しにくいはずです。逆に、近くても分からないまま決めると、あとで「これは何の費用だったんだろう」が残ります。


移動を「その日のデート」に変えてしまう
もうひとつ、東京から来るふたりにおすすめしたい考え方があります。移動を移動として扱わないことです。
関内・馬車道のあたりは、歩ける範囲で景色が変わる街です。工房を出て少し歩けばみなとみらいのほうへ抜けられますし、振り返れば石畳や古い建物が並びます。指輪をつくった帰りに、そのまま海のほうへ歩いていく。それだけで、その日はまるごと記憶になります。1日の組み立て方はみなとみらいデートと指輪づくりに、プロポーズを控えているなら横浜のプロポーズスポットにまとめました。
なお、施設の営業時間や料金は変わります。お出かけ前に、各施設の公式サイトでご確認ください。
「わざわざ電車に乗った」という手間は、あとから「あの日は横浜まで行ったよね」に変わります。手間が思い出に化けるのは、けっこう得な話だと思うのです。
東京から来るふたりへ、当日までにしておくと楽なこと
遠方から来ていただくぶん、当日の時間を目一杯使えるように。お願いが3つあります。
1. デザインの候補を3〜4つ持ってきてください
ひとつに絞り切らなくて大丈夫です。むしろ複数あるほうがいい。選んだ地金との相性で、思ったとおりの形にならないことがあり、候補が1つだと当日に立ち止まってしまうからです。雑誌の切り抜きでも、スマホの画像フォルダでもかまいません。デザイン・種類や制作事例も材料に使ってください。
2. だいたいのサイズを知っておいてください
当日、工房で正確に測ります。ただ事前におおよそを知っておくと、幅や厚みの相談がスムーズです。指のサイズは時間帯や体調で変わります。測り方は指輪サイズの測り方、むくみとの付き合い方はむくみとサイズをどうぞ。
3. 予算の「上限」ではなく「優先順位」を話しておいてください
いくらまで、より、何を優先したいか。幅をとりたいのか、石を入れたいのか、刻印にこだわりたいのか。それが決まっていると、見積りを一緒に組み立てられます。
横浜の工房の詳細と、ご予約の方法は横浜店のご案内にまとめています。日程のご相談は相談予約から、またはこのページ下の公式LINEからどうぞ。
よくある質問
東京に100&1の店舗はありますか?
ありません。工房は金沢と横浜の2か所です。東京にお住まいの方には、横浜の工房をご案内しています。なお、東京方面では姉妹ブランドのアトリエ花風里でもご相談いただけます。
何回くらい工房に行くことになりますか?
原型づくりはご来店1回で完了します。デザインの相談から原型を削るところまでを同じ日に行うためです。仕上がりのお渡し方法は、ご予約の際にご相談ください。
東京駅から工房まで、どれくらいかかりますか?
東京駅からJR京浜東北・根岸線で関内駅まで乗り換えなしで約41分、関内駅からは徒歩5〜7分です。渋谷駅からは東急東横線がみなとみらい線に直通し、馬車道駅まで約36分、そこから徒歩5分ほどです。ダイヤは変わりますので公式サイトでご確認ください。
予算はどのくらい見ておけばいいですか?
ペア30万円〜が目安です。地金相場・素材・幅・厚み・加工内容によって変わります。制作基本料・地金代・加工費の3層を単価×数量でお見せしますので、その場でどこを調整できるかも一緒に確認できます。
デザインが全然決まっていなくても行っていいですか?
かまいません。ただ、当日の時間は作ることに使っていただきたいので、候補を3〜4つ持ってきていただけると進みが違います。イメージだけでも大丈夫です。
東京から横浜へ来ること自体に、大した意味はありません。意味があるのは、納得して選んだ工房で、納得できる中身の指輪をつくることです。近いから選ぶのも、正しい選び方のひとつだと思います。そのうえで見積りの中身まで見て決めたいと思われたなら、横浜まで来ていただく価値はあるはずです。知らずに決めて後悔する人が減ったらいい、と思ってこの記事を書きました。他店と比べている途中でもかまいませんので、気軽に声をかけてください。

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