「ペア30万円の結婚指輪」と聞くと、安いのか高いのか、迷われるかもしれません。先にお伝えしておきたいことがあります。この30万円という金額は、「安く作れる」からこの価格なのではありません。かつてペア10万円前後でご提供できた時期もありましたが、金やプラチナの相場が高騰した結果、いま同じ品質の指輪をつくると、この水準になるのです。
この記事では、「なぜ今ペア30万円なのか」を数字で正直にお話ししたうえで、実際の制作事例とともに、その価格の中身をすべてお見せします。中身を隠さないこと——それが、私たちが大切にしている姿勢です。

まず正直に:「30万円」は安さの証明ではありません
はじめに、誤解を招かないようにお伝えします。100&1はペア30万円〜を目安にしていますが、これを「お得です」「安くつくれます」とはお伝えしません。
なぜなら、この価格は素材や仕上げにきちんとコストをかけた結果であって、安さを売りにした数字ではないからです。むしろ大切にしているのは、「なぜこの価格なのか」を、おふたりが納得できるまで説明することです。
宝飾業界では、価格の内訳を細かく開示しない慣習が一般的です。「一式○万円」とだけ提示され、中身が見えない——それでは、その価格が妥当かどうか判断できません。私たちは、地金代・加工費・仕上げ費のすべてを単価×数量で開示しています。中身を全部見せる、正直な指輪屋でありたいと考えています。
「昔は10万円だった」——価格が上がった本当の理由
「結婚指輪って、昔はもっと安かったのでは?」という感覚は、正しいものです。
その最大の理由は、地金(じがね)価格の高騰です。田中貴金属工業が公表している金の年間平均小売価格(税抜)の推移を見てみましょう。
| 年 | 金の年間平均小売価格(1gあたり・税抜) |
|---|---|
| 2020年 | 6,122円 |
| 2022年 | 7,649円 |
| 2024年 | 11,718円 |
| 2025年 | 17,302円 |
2020年から2025年のわずか5年で、金価格はおよそ2.8倍になりました。プラチナも2025年に急騰しています。指輪の主材料である貴金属が、かつてないほど高くなっているのです。
つまり、同じデザイン・同じ重さの指輪でも、数年前と今とでは価格がまったく違います。お店が値上げをしたのではなく、素材そのものの相場が上がった——これが「昔は10万円だったのに」の正体です。この事実を隠さずお伝えすることが、私たちの考える誠実さです。
ペア30万円の「中身」を3つの層で見せます
では、その30万円は何でできているのか。手作り結婚指輪の価格は、大きく3つの層に分けられます。
- 制作の基本料:ふたりでデザインし、原型を削る工程の技術料
- 地金代:使う貴金属の量と、その日の相場で決まる部分
- 加工費:鋳造・研磨・表面加工・刻印など、選んだ内容によって変わる部分
実際のお見積り例(10金・ストレート・幅1.5mmのペア)を、層ごとに整理すると次のようになります(※素材・仕様によって変動します)。
| 層 | 内容 | 金額の目安 |
|---|---|---|
| 制作の基本料 | ふたりでデザインして作る工程・諸費用 | 約8万円台 |
| 1本目 | 地金代+加工費(表面加工など) | 約15万円台 |
| 2本目 | 地金代+加工費(鏡面仕上げなど) | 約7万円台 |
| 合計 | ペア | 約31万円 |
こうして層に分けると、「30万円が何にかかっているか」がはっきり見えます。価格の内訳の詳しい考え方は料金と素材のページでも解説しています。
30万円台でつくれる、実際の作例
価格の話が続いたので、ここからは実際の作例をご覧いただきます。素材やデザインによって印象は大きく変わります。
- 槌目(つちめ)のペアリング:表面に槌目模様を入れた一組。同じ模様が二つとない、手仕事ならではの表情が生まれます

- ウェーブのペアリング:指をきれいに見せる緩やかなカーブ。着け心地のよさも人気の理由です

- マット(つや消し)のペアリング:落ち着いた質感で、傷が目立ちにくいのも日常使いに向いています

同じ「ペア30万円台」でも、素材(プラチナ・ゴールドの種類)、幅、厚み、表面加工の組み合わせで、仕上がりはさまざまです。ほかにもたくさんの制作事例をご紹介していますので、イメージづくりにご覧ください。デザインの選択肢はデザインのページにまとめています。
予算を抑えたいときは「加工」で調整する
「もう少し予算を抑えたい」というご相談もよくいただきます。そのときに大切なのは、削る場所です。
価格を抑えるなら、調整するのは主に「加工費」の部分です。表面加工をシンプルにしたり、石入れを控えたりすることで、耐久性を損なわずに価格を調整できます。
逆に、厚みや地金量を削って薄くすると、変形しやすくなり、サイズ直しにも耐えにくくなります。私たちが「安く見せるために地金は削らない」とお伝えしているのは、30年先も安心して着け続けていただくためです。ご予算をお聞かせいただければ、守るべき部分を守りながら、調整案をご提案します。
なぜ、ここまで中身を見せるのか
「そこまで内訳を公開して、値引き交渉されたりしないの?」と聞かれることがあります。それでも私たちが中身を全部お見せするのには、理由があります。
結婚指輪は、多くの方にとって一生に一度の買い物です。その大切な買い物で、「なぜこの価格なのか分からないまま払う」という経験をしてほしくないのです。地金がいくら、加工がいくら、と分かっていれば、値上がりの局面でも「相場が上がっているんだな」と納得できます。逆に中身が見えなければ、どんな価格も「高いのか安いのか」判断できません。
透明性は、おふたりのためであると同時に、私たち自身への戒めでもあります。すべての項目を開示している以上、根拠のない価格はつけられません。中身を見せることが、品質と誠実さを守る仕組みになっているのです。これが、私たちが「正直な指輪屋」でありたいと考える理由です。
予算を抑えたいとき、細く薄くするだけで調整すると、あとから困ることがあります。理由は細い結婚指輪の後悔に書きました。内訳の考え方をもう一度整理したい方は手作り結婚指輪の値段へ。婚約指輪の分の予算をどう考えるかで、結婚指輪にかけられる額も変わります。「婚約指輪はいらない」と言われた場合の整理は婚約指輪はいらない?へ。
よくある質問
ペア30万円は安いほうですか、高いほうですか?
「結婚マーケット調査2025」による結婚指輪(2人分)の平均は32万1000円なので、30万円は平均に近い水準です。ただし100&1では「安いから30万円」ではなく、素材・加工にきちんとコストをかけた結果としてこの価格になっています。中身の内訳をすべて開示していますので、金額の妥当性をご自身で確認いただけます。
昔はもっと安かったと聞きます。なぜ値上がりしたのですか?
最大の理由は金・プラチナの相場高騰です。田中貴金属工業のデータでは、金の年間平均小売価格は2020年から2025年でおよそ2.8倍になりました。かつてペア10万円前後だった時期もありましたが、素材そのものが高くなったことで、現在はペア30万円〜が目安になっています。お店の値上げではなく相場の変化によるものです。
30万円より予算を抑えることはできますか?
可能な範囲でご相談に応じます。調整の中心は「加工費」で、表面加工をシンプルにするなどで価格を抑えられます。一方、厚みや地金量は耐久性に直結するため削らないことをおすすめしています。ご予算に合わせて、削るべきでない部分を守りながらの提案をいたします。
ペア30万円という金額の裏には、金相場の高騰という現実と、素材や仕上げにかけたコストがあります。それを隠さず、すべてお見せするのが100&1です。作例を見て、価格の中身を確かめて、それから判断してください。予算のご相談だけでも歓迎します。まずはLINEで、お気軽にお声がけください。
