はじめに
この度はアトリエ100&1の電子書籍『幸せになりましょ!』をダウンロードしていただき、誠にありがとうございます。
宝飾業界に30年、ブライダル業界に12年身を置き、数千組のカップルに指輪を販売した経験から、若いカップルがどのようにすれば失敗しないで結婚指輪を選ぶことができるのかを考えてみました。これから結婚しようとするカップルに少しでもお役に立てればと思い、アドバイスをさせていただくことにしました。
ご縁があってお読みいただいたお2人が、世の中に溢れる情報の中から適切な情報を選び出し、お2人にとって永遠の愛を誓うことができる結婚指輪に巡り会えることを願っています。そして末永くお2人が幸せな結婚生活を続けられることをお祈りいたします。
結婚指輪は一生身に付けるものですから慎重に選びましょう!
結婚を控えたお2人にとっては、結婚指輪の購入は、はじめての宝飾店での買い物かもしれませんね。一生身に付ける指輪ですから、相当の覚悟で臨んでいるはずですよね!?
勢いに任せたり、断わり辛い雰囲気に負けたりしないで、慎重に選びましょうね。一生身に付け続ける指輪ですから。気に入ったものがあったからといって、すぐに飛びついてしまうのは、早計ですよ。はやる気持ちを少し抑えて、慎重に選ぶことが何よりも大切です。
宝飾店のプロの販売員は、満面の笑みで迎えて、甘い言葉を囁き、それこそいい気分にさせてくるはずです。彼女たちにとって、あなた方は鴨が葱を背負って来てくれているように見えるのですから。
このような強敵なプロの販売員に負けないように、とても簡単で失敗しない結婚指輪選びの4つの注意点と2つの質問をご用意しましたので、ご参考にしてください。これを実行するだけで、結婚指輪選びの失敗はなくなるはずですよ。
でも、絶対に指輪はこのブランドで! と決めてる人。お金はどんなにかかってもいい! というリッチな人。親戚だから、ご近所付き合いがあるから、この店で買わなきゃ! って決めている人。このような人たちには、必要ないかもしれません。
そうでない人、ブランドを決めておらず、予算に制限があり、お店のしがらみのない人にとっては、適切なアドバイスになりますので、よくお読みの上、ご判断していただきたいと思います。
結婚指輪選びを失敗しない4つの注意点
(1)結婚情報誌やインターネットの情報を鵜呑みにしてはいけない
結婚情報誌やインターネットの情報のすべてが誇大広告とまでは言いませんが、中には詐欺まがいの広告が含まれていますので、きちんと見極める必要があります。結婚に夢を抱き、舞い上がっているカップルには、その見極めが難しいかもしれませんが、決して広告を鵜呑みにしてはいけません。
そもそも結婚情報誌やネット上に広告を出すのには費用がかかります。その広告宣伝費を捻出するために商品代金が上乗せされていることを頭に入れておきましょう。
指輪は、買ってしまえばそれで終わりという商品ではありません。買ったままでただ使っているというのでは、すぐに品質が落ちてしまいます。アフターケアとして定期的にメンテナンスを行うことがとても大切なのです。どのようなアフターサービスが受けられるか、お店によって取り扱いが異なりますので、購入する際、将来受けられるメンテナンスの種類や料金、保証期間などを必ずチェックするようにしましょう。
確かな情報をある程度集めたところで、気になった商品をリストアップします。リストアップした商品を取り扱っているお店の中で、良さそうだと思えるお店から順番に回るようにしましょう。
(2)結婚相談所や結婚式場から紹介されたお店の商品は値引とKB(紹介所へのキックバック)が初めから上乗せされてます。
まず来店のアポイントメントをとるために電話をかけてみることです。Webサイトのフォームから来店予約ができる場合は、必要事項を入力してアポイントメントをとるようにしましょう。
意外とやらないので、試しにやってみてください。どのようなレスポンスがあるのかも、お店の良し悪しを判断できる材料になりますから。
結婚相談所や結婚式場からよく宝飾店を紹介されることがあります。
この業界では、「キックバック」というものが存在します。つまり紹介を受けた宝飾店がうまく指輪を販売することができた場合、売上の何%かのマージンを紹介した結婚相談所や結婚式場に支払うシステムがあるのです。
結婚相談所に結婚式場を探しに行くと、必ず指輪の割引チケットをもらえます。そして結婚相談所に紹介してもらった結婚式場に行くと、そこでも割引チケットをもらえます。両方とも、さもお得であるかのようにいって割引チケットを渡すのですが、実はキックバックを期待しているのです。
結婚式場が指定するレンタルショップで借りずに、ウエディングドレスを持ち込む場合に持ち込み料をとられるのも、同じようなシステムです。持ち込みにくくすることで結婚式場がレンタルショップの売上に協力しているのです。もちろんレンタルショップから結婚式場にはそれ相当のキックバックがあるはずです。
そうなんです。指輪にしろ、ドレスにしろ、割引紹介をするところはみんなグルなのです!
持ちつ持たれつの関係で、グルになってうまく儲けようとしているのです。
結婚相談所や結婚式場から紹介された宝飾店で、たまたま気に入った結婚指輪があったので購入したとします。支払う代金の中には、結婚相談所や結婚式場に戻されるマージンが含まれているのです。これって、損をしていると思いませんか? 本来ならば支払う必要がないマージンまでも払っているわけですから。
「キックバック」という悪しき慣習は、お客さまを犠牲にして成り立っているシステムです。良く判断して下さいね、
(3)プロの販売員の甘い言葉に誘惑されてはいけない
売る気満々の宝飾店では、こちらの要望よりも先に、色々と情報を聞き出そうとします。
「結婚式はいつですか?」
「どこで結婚式を挙げられるのですか?」
「どのようなウエディングドレスを着るのですか?」
たとえ決まっていても、ここはぐっっと我慢して「日取りはまだ決まってません」「式場もまだなんです」って、取り敢えず答えておきましょう。
そうしないと、例えば、挙式まで3ヵ月以内の場合は、「早く結婚指輪を選んでおかないと、式に間に合いませんよ」などといって急がすのです。
ダイヤモンドの婚約指輪を購入しようと考えている人は、特に注意してくださいね。
うかつに「ダイヤモンドの婚約指輪を見せてください」などといってしまうと、お金に余裕があると思われて、高価な指輪をこれでもかというぐらいに目の前に並べられますよ。
「プロポーズを考えているので、勉強させてください」ぐらいにとどめておいた方が無難ですよ。
(4)最初に入ったお店で指輪を買ってはいけない
たとえ気に入った指輪があったとしても、最初に入ったお店で買ってはいけません。
お店は最低でも2~3軒は2人で回りましょう。
男性も面倒腐がらないで、宝飾品の勉強をするつもりで、楽しい想い出作りのデートと考えて一緒について行ってください。
はじめて宝飾店に入る男性もいるかもしれませんが、ビクビクする必要はありません。お金を支払うのはこちらですから、堂々としていましょうね!
お店に入ると、満面の笑みを湛えたプロの販売員が出迎えてくれます。
優しそう‥‥、感じが良さそう‥‥、安心できそう‥‥。たとえそう思ったとしても、決して信頼してはいけません。結婚が決まり、幸せの絶頂で浮かれている若者を手玉に取るのは、彼女たちにとっては朝飯前です。販売のプロなのですから。
3軒ぐらいお店を回ると、よく理解できると思います。美味しいお茶とお菓子をご馳走になり、勉強に行ったつもりで、楽しんでください。そしてよく理解できたところで、どのお店で買うかを決めると良いでしょう。
結婚指輪選びを失敗しない2つの質問
「結婚指輪を見せてください」といったにもかかわらず、なぜかダイヤモンドの指輪を勧めるお店。
「今だけ!」「特別に!」などの口説きの常套文句を連発するお店。
買うといっていないのに、支払い方法を提示してくるお店。
このようなお店は要注意ですね! 決してお勧めはできません。
お店の良し悪しを見極めるのにぴったりの質問があります。
プロの販売員にひと通りこちらの情報を収集されたあと、逆にこちらから質問をぶつけてみましょう。
質問(1)なぜ結婚の時にダイヤモンドを送るのですか?
「そういう習わしですから」といっているところは、絶対にNGです。単に売ることをだけを考えて商売しているところですからね!
正解は、そう、実に500年にも遡る「愛」の物語です。
身分制度が残るオランダでのことです。当時は、まだダイヤモンドを研磨することができなかった時代です。
宝飾品を作る職人が、よりによって親方の娘さんに恋をしてしまいました。
彼女を愛する想いが、職人を当時では考えられない行動をとらせたのです。なんと親方に「娘さんと結婚させてください」といってしまったのです。
親方は困りました。腕の良い職人の願いを叶えてやりたいという想いと、父親として娘の将来を心配する想いがぶつかりました。散々悩んだ挙句、親方は、職人に娘を諦めさせようと、「ダイヤモンドを研磨することができたら、結婚を許してやる」という課題を与えたのです。
娘さんと一緒になるには、与えられた課題をやり遂げるしかないと考えた職人は、不眠不休で努力を重ねた結果、その努力が実り、地球上で一番硬い鉱物であるダイヤモンドは、同じダイヤモンドで研磨できることを発見したのです。職人の娘さんを愛する想いが奇跡を起こしたのですね!
ダイヤモンドを上回る職人と娘さんの絆の「硬さ」が讃えられ、現在にまで言い伝えられているのです。
本当に素敵な話でしょう!?
ですから、結婚の証としてダイヤモンドを渡すときも、受け取るときも、それ相当の覚悟をしないと、渡してもいけないし、受け取ってもいけないのです。
質問(2)ダイヤモンドの4Cの基準は、いつ決められたのですか?
プロの販売員のほとんどは、この質問にも答えられないでしょう。
正解は、100年前です。
100年も前の基準が、今でも使われていることが不思議に思うのは無理もありませんが、本当のことなのです。
そもそも4Cの基準とは、ダイヤモンドを売りたい業界が作り上げたルールなのです。つまり学生時代に経験した試験の偏差値のようなもので、偏差値で学力を測られたように、4Cでダイヤモンドの価値を測るようにしたわけです。
でもよく考えてみてください。偏差値が高い人は、学力のある人だといえますが、人間としての価値が高い人だとはいいきれません。偏差値で学力を測れても、人間の価値までは測ることができないからですね。
同じことがダイヤモンドにもいえるのです。
4Cはあくまでも1つの基準です、しかも100年も前に作られた基準です。
4Cの評価の高いダイヤモンドは、確かに価値の高いものですが、価値が高いからといって、誰もが素晴らしいと感じるとは限りません。人間に個性があるのと同じように、ダイヤモンドにも個性があります。その個性をどのように評価するかは、人それぞれなのです。
4Cの評価が低くても、見る人によっては、素晴らしく輝いているように見えるダイヤモンドもあるのです。それは見る人の個性なのですから。
大切なのは、4Cの評価ではなく、自分たちの目で見て、ダイヤモンドが輝いて見えるかです。そのようなダイヤモンドを見つけられたら、きっと自分たちも輝くことができるのではないでしょうか。
ダイヤモンドの原石は、磨けば磨くほど輝くといわれていますが、本当の原石はこれから結婚されるお2人なのかもしれませんね。
結びに
いかがでしたでしょうか?
とても簡単で失敗しない結婚指輪を選ぶための4つの注意点と2つの質問を紹介しました。
結婚指輪は、一生に一度の大きな買い物です。夢や憧れを実際に手にする買い物でもあります。
ご紹介した4つの注意点と2つの質問を実行するだけで、少なくとも結婚指輪で失敗することはなくなるはずです。ぜひ試してみてください。
これから結婚されるお2人が、永遠の愛を誓うことができる結婚指輪に巡り会えることを願ってやみません。
お2人の末永いお幸せを心よりお祈りいたします。
2人で作る結婚指輪・感動サプライズの婚約指輪 アトリエ100&1 スタッフ一同