若い2人が横浜のアトリエの戸を叩いたのは昨年7月の事でした。
とても明るい彼女と、その明るさにつられる彼氏の笑顔がとても印象的でした。
アトリエ100&1と姉妹店のアトリエ花風里の手作り指輪のコンセプトに惹かれ戸を叩いたと聞きとても嬉しく思ったことが思い出されます。
結婚生活に色々な形で現れる荒波を2人で乗り越えて頂きたいと考え、結婚指輪を結婚生活を乗り切るためのツールと考えているからです。
デザインの拘り
自分達だけの挨拶や行動があると聞き、どんなポーズと聞くと、頭と頭をくっつけるしぐさをしだしました。
頭と頭をゴツンとくっつける仕草を何かにつけてしていて、挨拶の代わりや、何かの折にしてるとの事で、とても微笑ましくお互いを感じ取る様なポーズにも見え素敵に感じましたね。
この頭と頭をくっつける形を結婚指輪にいれたいとの考えでデザイン画を描いていました。
男性は男らしく、女性は女らしさのシルエットの胸元にダイヤモンドをペンダントに見立てて入れるデザインにしたいとの要望でした。
男女の指輪が重なった時に、2人の挨拶、頭と頭がゴツンとしてる、私共スタッフがドリカムの歌、未来予想図にある正にア・イ・シ・テ・ルの「愛してるのサイン」と重なったのです。
制作における対策
デザイン画を見た時に直ぐに、幾つかの方法が浮かびました。
レーザー彫刻機でシルエットを出すのか? 職人による手作業でシルエットを出すのか?です。
レーザー彫刻機を使うメリットとしては細かい線でも忠実に再現できることにあります。
デメリットはそのデータを作るのに書き起こさなくてはならない為、一点づつを手作りするには、その費用が直接入ってしまうのです。
職人による手作業での作業も、費用は掛かりますが、レーザー彫刻のデータ作成料+彫刻代の費用と比べればずっとお安く済むになるのです。
ディメリットは、人の感性が皆違うように、お客様と職人のデザイン画のイメージが若干狂う事もあるのです。
ちょっとしたことでも、もう少しこんな感じなんだけど・・・の様な微妙なニュアンスを職人に伝える事ができるか?なのです。
今回の様な、線彫りでシルエットを表すか?シルエット全体を浮き凸せるのか?シルエット全体を凹ませるのか?の選択で、最終的には価格的にもデザイン的にも技術的にも職人によるシルエット全体を凹ませる手法を選択いたしました。
2人のシルエットを凹ませる方が若干でも地金の量を抑える事ができるのです。
では全体を落として、シルエットを凸立たせる状態にすればと思う人もいると思いますが、指輪の厚みを考慮しないと、何十年も指におさまる間に変形したり、傷がついてから仕上げ直しをしなくてはならず、1㎜~1.2㎜位の薄さだと、何十年の使用に耐えられないのです。
価格を安くするために、この様に指輪の厚みまで、将来にわたってのメンテナンスの事なども考慮しないといけませんよね。
2人による刻印
指輪の原型には、2人による手彫りの文字も当然入っています。
一つの原型を2人で制作してから、ゴム型を作って男女それぞれのサイズにするので、表面のデザインが違っても、元の一つの原型から作られたモノであることの証明にもなるのです。
アトリエ100&1も姉妹店の東京のアトリエ花風里でも機械による刻印よりも2人で文字を刻む事を基本としています。
その事が、結婚生活にも非常に重要な位置づけになる事が判っているからに他なりません。
手作り指輪を提案するお店の中で、3㎜以上の結婚指輪の幅に対して、2人での文字入れを推奨していない所もありますが、私共からすれば、お店の結婚指輪に対する想いの違いとしか考えられないのです。
2人の結婚後の事まで考えてるお店か?数をこなしたいと考える売上優先か?を見極めるのに、2人で指輪の内側に文字を刻む事が可能かを確認するのも、お店の結婚指輪の内側に文字が彫れるか?を確認する事も必要かも知れませんね。
もし不可能な理由を聞いた時に、理不尽な回答が返ってきたときは、その理由をお聞かせくださいね。
少なくても、アトリエ100&1とアトリエ花風里では、できない理由については、物理的な指輪の幅の問題以外は全てクリアします。
もちろんS字の指輪の様に文字を彫る部分が直線でないと、極端に少ない文字数になりますが可能です。
何のために結婚指輪を交換するのかを改めて考えて頂きたいものですね。
幸せになりましょうね。