アトリエ100&1物語vol.02「1つの原型から一対の指輪を」

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Same Style

新郎が新婦の、新婦が新郎の指輪を作る。それもいいけれど2人で1つの指輪をつくるのはもっと素敵だ。2人の共同作業の手跡が残った指輪をサイズ違いで2人ではめる幸せ、味わって欲しい。

アトリエ100&1との出会い

セミオーダーの指輪店と手づくり指輪の工房をいくつか見学して回った二人だったが、どこも一長一短でなかなかこれという指輪に決められなかった。

以前、シルバーアクセサリーをオーブントースターで作ったことのある二人は、結婚指輪も同じように粉をコネコネして粘土細工のように作れると早合点していたのだ。

金属を加工するには、「彫金(ちょうきん)」「鍛金(たんきん)」「鋳金(ちゅうきん)」とおおまかに3つあって、削ったり打ち込んだり叩いたりして作る鍛金の指輪もあるが、素人には難しすぎるし、結婚指輪などは、作った型に溶かした金属を流しこんでつくる鋳金でつくるのが簡単だとわかった。

というのも、どこのお店に行っても、

「それでは、新婦さまの指輪を新郎さまが、新郎さまの指輪を新婦さまがつくりましょう。新婦さまは細身でちょっとラウンドしたタイプで、新郎さまのは太めのストレートタイプはいかがですか?」

なんて提案を受けた挙句、

「今回、大きさも形もまったく違う2つの指輪をそれぞれがつくりますので、型が2つ必要です。その分すこし予算がオーバーしちゃうかもしれませんがよろしいですか?」

と聞かれることがしばしば。

「同じデザインで構わないので型ひとつにならないですか?」

「サイズが違いますし、型はハンマーで粉々になってしまうので。どうせ2つ作るなら違うデザインのほうが良いですよ。」

予算はあらかじめ提示してあるし、「う~ん・・・。」と唸ってしまうのだった。

それに、互いが互いの指輪を作るっていうのもなんだかだし、だからといってそれぞれ自分の指輪は自分でつくるというのも違う気がするし。

2人で1つの指輪が作れればいいのに、なんて思っていたところ、とある指輪店の方から提案を受けた。

その指輪店というのが、一つの原型から一対の結婚指輪をつくる手づくり指輪工房アトリエ100&1だ。

「2人で1つの指輪をつくりましょう!しかも、同じ型からサイズ違いの指輪がつくれますよ!」

「え?本当ですか?散々できないって言われたんですけど。石こう型もハンマーで叩いて粉々になっちゃうとか。」

「それは単に営業トークでしょうねぇ。そりゃ型が二つの方が単価が上がりますし。それに、うちのは石膏(せっこう)ではなくゴム型を使うので、真ん中から切ってまたくっつければ同じ型が使い回しできるんですよ。その型も無料で差し上げますから、万が一指輪をなくしてしまっても、その型に金属を流し込めば、まったくおんなじ指輪が作れますからね。」

「え~!それってすごく安心じゃないですか!周りでもよく指輪をなくした話を聞きますから。」

「型が一つで済むので当然予算内でバッチリOKですよ。それどころか他のお店よりいいものができちゃうかもね~。」

「え~!ますます楽しみです!ところで、婚約指輪も一緒に作りたいんですが・・・。やっぱり予算足らないですかね?」

「う~ん、そうね~、全然問題ない!予算内でつくれるものつくろう!」

「え~!本当ですか!嬉しいです。」

こうして二人は、アトリエ100&1で指輪を制作することに決めたのだ。

vol.03につづく・・・

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