婚約指輪と結婚指輪、合わせていくら?予算配分の考え方

プラチナソリティアの手作り婚約指輪。6本爪にダイヤモンド

婚約指輪と結婚指輪、両方を用意すると合計でいくらになるのか。この記事の結論を先に書きます。「合計いくら」を先に決めるより、「どちらを厚くするか」を先に決めたほうが、あとで納得が続きます。

金額の目安になるデータはあります。ただ、そのデータには「合計の平均」という数字は存在しません。存在しないものを足し算でつくると、判断を誤ります。ここは正直にお伝えしたいところです。

プラチナの一粒ダイヤの婚約指輪
目次

合計いくら?まず、二つの数字を並べてみます

参考になるのは、リクルートブライダル総研の「結婚マーケット調査2025」です。婚約指輪と結婚指輪、それぞれについて費用のデータが載っています。

平均額回答者数
婚約記念品【指輪】43万8000円n=258
結婚指輪(ふたり分のセット価格)32万1000円n=289

※出典:リクルートブライダル総研「結婚マーケット調査2025」本編67ページ・72ページ

ここで、ひとつだけ気をつけていただきたいことがあります。この二つを足して「合計約76万円が平均です」と言うことは、できません。

理由は単純で、集計している人が違うからです。婚約指輪の平均は「婚約記念品として指輪を用意し、金額を答えた258人」の数字。結婚指輪の平均は「289人」の数字。同じ258組が両方を答えたわけではないので、足し算した数字は誰の実額でもありません。

ですから、こう受け取ってください。「婚約指輪を用意した人たちの真ん中あたりは40万円台、結婚指輪ふたり分の真ん中あたりは30万円台。両方なら、ざっくり数十万円ずつの二本立てになる」。目安はこの粒度で十分です。小数点まで詰めた合計額は、そもそも存在しません。

婚約指輪は「平均」より「散らばり」を見てください

もうひとつ大事なことがあります。婚約指輪の43万8000円という平均は、そのまま目指すべき額ではありません。

同じ調査の内訳を見ると、金額はきれいな山になっていません。

  • 30万〜40万円未満 18.7%(最多の価格帯)
  • 20万〜30万円未満 17.2%
  • 10万〜20万円未満 14.1%
  • 50万〜60万円未満 14.1%
  • 10万円未満 10.7%
  • 100万円以上 9.0%

10万円未満が10.7%いる一方で、100万円以上も9.0%います。上と下に大きく開いていて、その両端が平均を引っぱり合っている。つまり43万8000円は「多くの人が払った額」ではなく、広く散らばったものの真ん中を機械的に出した数字です。

結婚指輪のほうは、これに比べれば散らばりは穏やかです(最多帯は20万〜25万円未満で19.4%)。詳しい分布は結婚指輪の相場にまとめました。婚約指輪の金額が何で決まるのかは、婚約指輪はいくら?で扱っています。

この記事でお伝えしたいのは、婚約指輪は「相場に合わせる」という決め方がいちばん機能しにくい買い物だ、ということです。相場の幅が広すぎて、合わせる先がない。だから配分は、別の軸で決めることになります。

軸はひとつ。「毎日つけるのはどちらか」

配分を考えるときに、私たちが最初にお聞きするのはこれです。

結婚指輪は、30年つける前提の道具です。 毎日、洗い物をして、荷物を持って、仕事をして、そのあいだずっと指にある。だから幅・厚み・素材の選び方が、そのまま10年後・20年後の状態に効いてきます。細く薄く作れば金額は下がりますが、変形やすり減りのリスクは上がります。

婚約指輪は、着用頻度が人によってまったく違います。 毎日つける方もいれば、記念日や式のときだけという方、普段はケースにしまっておく方もいます。どれが正しいということはありません。

ここから、配分の考え方は自然に出てきます。

  • 毎日つけるものには、耐久に効く部分の予算を削らない
  • 着用頻度が低いものは、「気持ちが満たされる形」を優先してよい

婚約指輪は石の大きさや質で金額が動きますが、それは装飾の話です。結婚指輪の幅や厚みは、装飾ではなく耐久の話。同じ「1万円分」でも、効き方が違います。 削れる場所と削ってはいけない場所の実務は、結婚指輪の予算を抑えるにはにまとめました。

ふたりの手にはめた手作り結婚指輪

配分の4パターン。どれも正解です

そのうえで、実際の配分を並べます。上から順に良い、という並びではありません。それぞれ、何を優先した選択なのかを書き添えます。

A. 婚約指輪に厚みを置く

結婚指輪はシンプルに整え、婚約指輪の石やデザインに予算を寄せる形。「贈るという行為そのものを、形として残したい」を優先した配分です。プロポーズの記憶を一点に集めたい方に向きます。注意点は、結婚指輪を薄く細くしすぎないこと。ここを削ると、日常のほうにしわ寄せがいきます。

B. 結婚指輪に厚みを置く

婚約指輪は控えめにして、毎日つける二本に予算を寄せる形。「これから使う時間の長さ」を優先した配分です。幅・厚みに余裕を持たせられるので、後年の変形やサイズ直しで困りにくくなります。

C. 婚約指輪を省いて、結婚指輪を厚くする

婚約指輪を用意しないという選択も、まったく対等です。前述のとおり、そもそも婚約指輪を用意しない方は調査対象からも外れています。予算を一本にまとめれば、素材やデザインの選択肢は当然広がります。

ただ、「贈りたかった」という気持ちが残ることはあります。その場合は、指輪以外の形にする道もあります。婚約指輪はいらない?で、ペンダントなど別の形も含めて整理しました。

D. 二本立てにせず、同時にまとめて考える

婚約指輪と結婚指輪を別々の買い物にせず、はじめから合計で設計する形。「二つの見た目と素材を、ちぐはぐにしたくない」を優先した配分です。これは次の章で詳しく書きます。

どのパターンを選ぶかで、合計額は自然に決まります。逆に、合計額を先に決めてから中身を割り振ると、なぜその配分なのかを自分たちで説明できなくなることがあります。順番は、配分が先です。

金額の目安だけ先に知りたい、という方へ。
見積りシミュレーターなら、地金代と加工費を分けた概算をその場で出せます。来店の前に、数字だけ確かめておくこともできます。相談だけでも大丈夫です。

同時に作ると、できること

婚約指輪と結婚指輪を同じタイミングで考えると、あとから追えないことがいくつか揃います。

重ね着けのバランスが取れます。 婚約指輪と結婚指輪を同じ指に重ねる場合、二本の幅や高さが合っていないと、隙間が空いたり、石に結婚指輪が当たったりします。片方を作ったあとで、もう片方をそれに合わせるのは意外に窮屈です。両方を並べて考えられるうちのほうが、選択肢は多い。

素材を揃えられます。 プラチナと18金では色みが違います。並べてつけたときにどう見えるか、揃えるのか、あえて変えるのか。これは実物を並べないと決めにくいところです。

予算の全体像が一度に見えます。 別々の買い物にすると、あとから来たほうが「もう出したから」という理由で圧縮されがちです。最初から合計で見ておくと、その圧縮が起きません。

100&1では、原型(ワックス)をおふたりで削り、職人が鋳造して仕上げるキャスト製法で作っています。婚約指輪と結婚指輪を同じ流れで考えることもできます。

なお、いつ動き出すかという時期の話は結婚指輪はいつ買うかに、手作り婚約指輪そのものについては手作り婚約指輪にまとめています。

ふたりでワックスの原型を確かめる様子

配分を決める前に、知っておいてほしいこと

最後に、予算の前提そのものが動いている話をひとつ。

地金の相場が、この数年で大きく上がりました。 以前なら10万円台で作れた仕様が、いまは30万円台になっています。これは工房の姿勢の問題ではなく、材料の値段が変わったためです。私たちの参考価格もペア30万円〜が目安(素材・幅・厚み・加工内容で変動)です。詳しくは金相場の高騰と指輪価格にまとめました。

ですから、数年前の情報をもとに合計予算を組むと、たいてい足りません。 配分を考えるときは、いまの数字で見てください。

そして、金額の中身が見えるかどうかも確かめてほしいところです。同じ「30万円」でも、何にいくらかかっているかは店によって書き方が違います。100&1は制作基本料・地金代・加工費の3層を単価×数量で開示しています。その考え方は手作り結婚指輪の値段に、見積書のどこを見るかは見積書のチェックリストにあります。

予算の話でもうひとつ気になりやすいのが「給料3ヶ月分」という古い物差しです。その由来と今の実態を別記事で正直に整理しました。

よくある質問

婚約指輪と結婚指輪、合計の平均額はいくらですか?

「合計の平均」という統計は存在しません。結婚マーケット調査2025では婚約記念品【指輪】が平均43万8000円(n=258)、結婚指輪のセット価格が平均32万1000円(n=289)ですが、この二つは集計対象が別なので単純に足すことはできません。目安としては「それぞれ数十万円ずつの二本立て」と捉えてください。

婚約指輪と結婚指輪、どちらを優先すべきですか?

どちらが正しいということはありません。判断の軸としておすすめしたいのは「毎日つけるのはどちらか」です。結婚指輪は長く使う道具なので、幅や厚みなど耐久に関わる部分は削らないほうが安心です。婚約指輪は着用頻度が人によって違うので、そこはご自身たちの使い方で決めて構いません。

婚約指輪を省いても大丈夫ですか?

まったく問題ありません。省いて結婚指輪に予算を寄せる配分も、この記事では対等な選択として扱っています。ただ「贈りたかった」という気持ちが残る場合は、ペンダントなど指輪以外の形もあります。婚約指輪はいらない?をご覧ください。

婚約指輪と結婚指輪は、同時に作れますか?

同じタイミングで考えることはできます。重ね着けしたときのバランスや素材の色みを、両方並べた状態で決められるのが利点です。制作の期間や進め方はご相談内容によって変わりますので、公式LINEでお尋ねください。

予算はいつ決めればいいですか?

「合計いくら」を先に決めるより、「どちらに厚みを置くか」を先に決めることをおすすめしています。配分が決まると合計は自然に出ますが、逆順にすると理由のない割り振りになりがちです。時期そのものの話は結婚指輪はいつ買うかにまとめています。

予算の話は、金額そのものより「何を優先したか」を自分たちの言葉で言えるかどうかだと思っています。二つの指輪は役割が違います。片方は贈るもの、片方は使い続けるもの。その違いをふまえて配分を決めていただければ、あとから金額を見返しても、たぶん納得が続きます。

迷っている段階でも構いません。まだ何も決まっていない状態でご相談いただくほうが、私たちもお役に立てます。

この記事を書いた人

三代 二栄のアバター 三代 二栄 アトリエ100&1 創業者

アトリエ100&1創業者。横浜生まれ。宝飾業界約40年、宝石店の企画・コンサルティング20年以上。手作り結婚指輪の仕組みをいち早く確立し、2009年に金沢で創業。3,000組以上の指輪選びに立ち会う。信条は「毎日着けて30年もつか」。

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