ビッカース硬度

硬さを表す尺度の一つ。主に圧力を掛けた時の凹みでその数値を表す。
解説

ビッカース硬度の数値が高いほど固く、傷付きに辛くなります。その為、最近の宝飾業界では製造方法に関わらず、ビッカース硬度HV200前後または超えるものを「鍛造」と表現することが多くなっています。

しかし、硬度が高いほど傷付き辛いという表現は正しいですが、日常生活の中にはHv200を超えるものが数多く存在するので、「鍛造は傷が付かない」という認識は間違いです。
例えば、砂埃に混ざる石英(せきえい)等はHv1100あり、これが付着して擦れることで、指輪は風の強い日に身に付けているだけでも傷が付いていきます。

宝石など鉱物に対する硬さの尺度にはモース硬度があります。
地金における硬度

純度100%の純金や純銀は柔らか過ぎる為、そのままではジュエリーに向きません。
それを解決する為に、銅やパラジウムなどを混ぜた合金にすることで、強度を持たせて製品に仕上げます。

[純金:Hv30]→[18金:Hv120~150]
[純銀:Hv25]→[SV925:Hv65]
[純プラチナ:Hv40]→[Pt900:Hv100~130]

ロジウムメッキの表面ビッカース硬度Hv600という特性を活かし、プラチナ商品にはメッキを施すのが当たり前の処理となっています。
当アトリエでは鍛造以上の硬度に仕上げる「金属硬化処理」が可能です。素材によっては、ビッカース硬度HV200を大幅に超える硬度処理を、非常にお求めやすい価格にてご提供しております。素材別による硬度はお問合せください。

この用語集は、アトリエ100&1 並びに アトリエ花風里 において使われる宝飾品用語を「基本に忠実に、初心者にも分かり易く」宝飾業界30年超えのオーナーが独自の見解も含め解説するものです。

お客様が宝石のご購入を検討される際に、業者が知るべき専門知識やデータを詳しく知る必要はありませんが、正しい知識を持つことは比較検討される際に有効な判断材料となります。
業界には(販売戦略として意図的に)消費者に誤解を与えるような表現をしている場合や、一般的に間違って浸透している用語・知識などもあります。「間違った認識で後悔してほしくない」「正しい知識で正しく商品を選択してほしい」との願いから、特に解りやすくお伝えしたいと思います。