手作り結婚指輪のリアルな感想〜実際につくったご夫妻の話

明るく温かい工房で、緑のワックス原型を二人で確かめ合う笑顔のカップル。手作り結婚指輪の制作体験の様子

最初に、この記事の立場をはっきりさせておきます。ここに書いてあるのは、アトリエ100&1の公式サイト「お客様の声・制作事例」に実際に掲載している、実在のご夫妻の物語だけです。外から集めてきた口コミの寄せ集めではありませんし、星の数や満足度のパーセンテージも出しません。私たちが確認できないことは、書かないことにしています。

そのかわり、ひとつずつの物語をただ並べるのではなく、そこから見えてくる共通点でまとめ直しました。手作り結婚指輪を検討している方が知りたいのは、たぶん「誰がなんと言ったか」より「つくった人たちに、何が起きたか」だと思うからです。

ふたりで削った結婚指輪の原型(ワックス)を確認しているところ
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なぜ「口コミサイトの点数」を載せないのか

手作り結婚指輪を調べていると、点数のついたレビューがたくさん出てきます。参考になることもあると思います。ただ、指輪づくりは1組ごとに条件が違います。素材も、幅も、彫る言葉も、かけられる時間も違う。同じ星4つでも、中身がまるで別の話になります。

それに、点数は「その人が何に納得したか」までは教えてくれません。私たちがサイトに物語として載せているのは、そこを知ってほしいからです。少し長いですが、お客様の声・制作事例には、おふたりが工房に来るまでの経緯まで書いてあります。

この記事は、その掲載内容を読み返して、共通していたことだけを抜き出したものです。掲載していない感想は足していません。

共通点1|「比較した末に」たどり着いた方がいる

まず目についたのが、他の選択肢を見てから来られた方がいるということでした。掲載しているすべてのご夫妻がそうだと言うつもりはありません。ただ、そう書かれている方の言葉には、共通するものがありました。

#01 品川様ご夫妻(2016年12月入籍)の奥さまは、ウェディングプランナーとして数多くの結婚指輪を見てきた方です。「金属をその場で叩く」「その日のうちに持ち帰れる」といった手軽さがしっくりこず、比較検討の末に、原型からつくる100&1を選んでくださいました。

#04 澤井様ご夫妻(2018年6月入籍)は、銀座の有名店もいくつか見学されています。そのうえで「パーツとパーツを組み合わせるカスタマイズ」に違和感が残り、原型からつくる工程を選ばれました。物語のタイトルは「見かけに惑わされない本物」です。

ここは誤解のないように書きます。その日のうちに完成する作り方も、パーツを選ぶ作り方も、それ自体が悪いわけではありません。時間のないおふたりには合理的ですし、仕上がりがきれいなものもたくさんあります。おふたりに合わなかった、というだけの話です。

ただ、「同じ手作り」という言葉の中に、まったく違うサービスが混ざっているのは事実です。体験としての指輪づくりと、製品としての指輪づくりの違いは削ってつくる体験と、鋳造してつくる指輪の違いに、その日に持ち帰れるかどうかの差は即日仕上げと後日仕上げ、何が変わるのかにまとめました。見学に行く前に読んでおくと、比べる基準が持てると思います。

既製品と手作りのどちらがいいか迷っている段階なら、既製品と手作り、どちらを選ぶかのほうが先かもしれません。

共通点2|つくっている時間のほうを、覚えている

もうひとつ、はっきりした共通点があります。完成した指輪の話より、つくっていた時間の話のほうが長いのです。

#03 幸坂様ご夫妻(2017年1月入籍)は、仙台よさこいの運営で出会ったおふたり。劣化したペアリングの作り直しを考えていたとき、金沢旅行に合わせて手作りできる工房を探して、100&1を見つけてくださいました。まずはダイヤモンドを2つ並べたプレエンゲージメントリングから。物語には、指輪をつくる時間が、ふたりの「今」と「少し先の未来」を話し合う時間にもなったと書かれています。

私たちは、これは偶然ではないと思っています。原型を削っている間、ふたりは同じ机に向かって、数時間、同じものを見ています。スマートフォンを置いて、これからのことを話す時間は、実はなかなかつくれません。指輪づくりが、その口実になっている。

#02 工藤様ご夫妻(2018年1月ご結婚)は、関内のジャズバーで出会ったおふたりです。最初は「3万円くらいのペアリングを」と気軽にご来店くださいました。そこから「二人はきっと結婚するから、将来結婚指輪になるプレエンゲージメントリングにしては?」という提案があり、物語が動き出しています。指輪を選びに来たはずが、ふたりの先の話になったというのは、共通点1とも重なります。

工程そのものを先に知りたい方は、制作の流れをご覧ください。何時間かかって、どこまでを自分たちの手でやるのかが書いてあります。

結婚指輪の内側に刻まれた文字

共通点3|指輪に、名前や意味がついていく

掲載している物語を並べて、いちばん驚いたのはここでした。多くのおふたりが、指輪に「意味」をつけているのです。

#01 品川様ご夫妻の指輪には、名前がついています。入籍直後にご主人が仕事中の事故で大怪我をされ、それを乗り越えて完成した指輪。名前は“andante”——歩くようなテンポで進もう、という意味です。

#06 加藤様ご夫妻(2019年2月入籍)は、意味をデザインそのものに落とし込まれました。結婚記念日の2月4日にちなみ、2+4の「6本のライン」を波に見立てる。ダイヤモンドはふたりで見た灯台の光、ミル打ちは打ち寄せる波の泡。内側には漢字の名前と、「朝晩を一緒に迎えられるように」という願いを込めた太陽と星のマークを刻まれています。

富山市の慎吾さん・瞳さんは、コーヒーを介して出会われたおふたりです。結婚指輪の内側に刻んだイニシャルの間に、コーヒー豆を彫り込まれました。自家焙煎のお店を営むおふたりらしい指輪です。

金沢在住の智仁さん・真央さんがつくられたのは、指輪ではなくペンダントでした。両家のご両親と自分たちをつなぐもので、ふたりで刻んだ文字は、ハワイの言葉で「家族」を意味する「OHANA」。披露宴で、ご両親への感謝のサプライズとして贈られています。

こうした意味づけは、こちらから提案したものではありません。削っている途中で、おふたりの側から出てきます。既製品を選ぶときに「この指輪に名前をつけよう」とはあまりならないと思うのですが、自分の手が入ると、そうなるようです。

どんな刻印や意匠が実際に形になっているかは、制作事例にまとめてあります。

金額の目安だけ先に知りたい、という方へ。
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共通点4|年月が経ってからの感想が、いちばん重い

新品を受け取った直後は、たいてい誰でもうれしいものです。私たちが気にしているのは、そのあとです。

#07 臼井様ご夫妻(2017年2月入籍)の旦那さまは、名古屋から富山へ移住し、パートナーと出会う前から100&1の指輪づくりに興味を持っていたそうです。数年後、おふたりで金沢の工房へ来てくださいました。物語のタイトルは「自分達で作ったから得られた愛着」。3年経っても、それが変わらなかったとお話しくださっています。

時間の経過は、指輪の外側にも表れます。#02 工藤様ご夫妻には長男が誕生され、#05 佐藤様ご夫妻(2018年4月ご結婚)は、ジャスミン(茉莉花)にちなんで名づけられた娘さんも一緒に、ご家族でお話を聞かせてくださいました。#04 澤井様ご夫妻の旦那さまは、パティシエとして独立を目指して新たな一歩を踏み出されています。

指輪は、渡して終わりの商品ではありません。そのあと何十年か、生活のほうが変わっていく。その間ずっと同じ指にある、というのが結婚指輪の特殊なところだと思います。

完成した結婚指輪を受け取るおふたり

正直に書きます。手作りが向かない方もいます

ここまで読むと、いいことばかりに見えると思います。フェアではないので、逆側も書きます。手作り結婚指輪は、全員におすすめできるものではありません。

私たちが「向かないかもしれない」と考えるのは、たとえばこういう場合です。

  • 日程に余裕がない。原型を削って、鋳造して、研磨して仕上げるので、その場で完成はしません。式まで日がないときは、無理をしないほうがいいです
  • ふたりで工房に行く時間をつくれない。片方だけでも制作は可能ですが、この記事の共通点2・3は、ふたりで来られたからこそ生まれています
  • 仕上がりの正解が明確に決まっている。「雑誌で見たこのブランドのこの形がいい」なら、それを買うのがいちばん納得できます
  • 手作り=安い、と期待している。金相場の高騰もあり、当店の参考価格はペア30万円〜が目安です。安さを理由に選ぶと、たいてい合いません

もっと具体的に知りたい方は、手作り結婚指輪のデメリット7つと手作り結婚指輪で後悔する7つのパターンを先に読んでください。契約してから読むより、迷っている今のほうが役に立ちます。私たちは、合わない方に無理に選んでいただきたいわけではありません。

よくある質問

この記事に出てくるご夫妻は、実在しますか?

はい。すべてアトリエ100&1の公式サイト「お客様の声・制作事例」に掲載しているご夫妻です。この記事はその掲載内容を、共通点ごとに再構成したものです。掲載にないエピソードや発言は加えていません。

星の数や満足度のパーセンテージは公開していますか?

公開していません。1組ごとに素材も工程も条件も違うため、点数にまとめると、かえって実態が見えにくくなると考えているからです。そのぶん、物語の形で経緯まで残すようにしています。

悪い感想や、うまくいかなかった話は載っていますか?

サイトに掲載しているのは、掲載のご承諾をいただいた物語です。そのかわり、私たちが「向かない」と考える条件は、この記事とコラムで正直に書いています。デメリット7つと後悔する7つのパターンをご覧ください。

つくったあと、何年か経ってから相談することはできますか?

できます。掲載している物語にも、3年経ってからお話を伺ったご夫妻がいらっしゃいます。サイズの変化や日常の傷など、時間が経ってからのご相談は珍しいことではありません。

物語の全文はどこで読めますか?

お客様の声・制作事例のページにまとめています。この記事で触れていないご夫妻の物語もありますので、よければそちらもご覧ください。

口コミを探しているとき、本当に知りたいのは「損をしないかどうか」だと思います。それは点数ではわからないので、私たちは物語のほうを残しています。読んでみて、自分たちには合わないかもしれないと感じたなら、それも収穫です。もし、つくっている時間のほうに惹かれたなら、いちど話を聞かせてください。まだ何も決まっていなくて大丈夫です。

この記事を書いた人

三代 二栄のアバター 三代 二栄 アトリエ100&1 創業者

アトリエ100&1創業者。横浜生まれ。宝飾業界約40年、宝石店の企画・コンサルティング20年以上。手作り結婚指輪の仕組みをいち早く確立し、2009年に金沢で創業。3,000組以上の指輪選びに立ち会う。信条は「毎日着けて30年もつか」。

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