鋳造(ちゅうぞう)

型に溶けた金属を流し込み成形する手法
解説

一般的な商品は、下記の要領で元原型を作り複製したものです。

製造方法

  1. ジュエリーワックス(樹脂製の蝋材)で原型を作ります。
  2. 原型に湯口を付けて石膏に埋め込みます。
  3. 石膏を高温で焼きます。すると、ワックスが溶け出てそこが空洞になります。
  4. 原型の形の空洞ができた石膏に、高温で溶かした金属を湯口から流し込み、金属の元原型を作ります。
  5. 金属の元原型に更に湯口を付け、生ゴムに埋めて低温で焼き固め、半分に割って金属を取り出します。これがゴム型(量産型)となります。
  6. ゴム型(量産型)に溶けた樹脂ワックスを流し込み固め、ワックス原型を作ります。
  7. 元原型を作る時と同じ要領(2〜4)でワックス原型を石膏に埋めて、貴金属(地金)を流し込み、ジュエリーにします。
当アトリエでお客様に行なって頂く作業は(1)ジュエリーワックスの原型を作るところまでです。それ以降(2〜7)の作業は職人が行いますので、製造方法・品質は市販品と変わりありません。
長所
  • 複雑な形状を製作できます。
  • 型を用いて加工するので大量生産に向いています。
  • ゴム型を保管しておくことで、年数が経っても複製できます。
短所
  • 鋳造と比較して硬度は高くありません。
当アトリエでは鍛造以上の硬度に仕上げる「金属硬化処理」が可能です。素材によっては、ビッカース硬度HV200を大幅に超える硬度処理を、非常にお求めやすい価格にてご提供しております。素材別による硬度はお問合せください。

この用語集は、アトリエ100&1 並びに アトリエ花風里 において使われる宝飾品用語を「基本に忠実に、初心者にも分かり易く」宝飾業界30年超えのオーナーが独自の見解も含め解説するものです。

お客様が宝石のご購入を検討される際に、業者が知るべき専門知識やデータを詳しく知る必要はありませんが、正しい知識を持つことは比較検討される際に有効な判断材料となります。
業界には(販売戦略として意図的に)消費者に誤解を与えるような表現をしている場合や、一般的に間違って浸透している用語・知識などもあります。「間違った認識で後悔してほしくない」「正しい知識で正しく商品を選択してほしい」との願いから、特に解りやすくお伝えしたいと思います。